ソプラノサックス調整①
メーカー 品番
ヤナギサワ S-9030
修理希望
- 全体の鳴りが悪い
- 左手キィのあたりが非常に音抜けが悪い
- ノイズ
- タンポのべたつき
交換部品及び大まかな修理内容
- タンポ交換2ヶ所(Cキィ(ドーナツタンポ)とC♯)
- ラック補充(Highキィ3個とオクターブ以外全部)
- 不良軟物交換
- クリーニング
- タンポ,バランス調整
修理期間
3日間(午前中に預かって2日後の午後納品)
修理内容詳細
各所チェックと吹奏チェック
- 管体の凹み曲がりがないか
- 基準になるキィのタンポ開きの計測
- タンポの閉じ具合をリークライトとフィラーゲージでチェック etc.
全分解及びクリーニング タンポメンテナンス
- 音孔は、特に入念に磨きが上げます。(吹奏感がかなり良くなります)
- 管体の表面も、もちろん綺麗に磨き上げます。
- タンポの表面の汚れを取り除いた後、ベタ付きを防止して皮の柔軟性を向上させる薬品を塗布します
- 針バネのサビを取り除いた後、サビ止めを塗布します
キィからタンポを外して調整剤を補充
キィとタンポの間には、ラックやホットメルトと言う接着剤兼タンポ調整剤が入っています。
各メーカー共通して非常に少ない為にこの作業を実施します。(特にセルマー等の外国メーカーが少ないです。国内メーカー(ヤマハやヤナギサワ)も十分な量が入っているとは、言えません。)
調整剤が少ないとダメな訳・・・調整剤が少ないと、キィの中でタンポとキィの隙間があるので、タンポ調整をしてもすぐにタンポの形が変わってしまいタンポと音孔の気密性が悪くなってしまいます。
サックスやクラリネットのタンポ調整方法・・・キィの表面をバーナーの火であぶってキィの中に入っている調整剤をとかす。とけた状態でタンポをヘラ等で押さえてタンポが音孔をぴったり閉じるように形や角度を変える。
タンポを外したところ(調整剤入っていますが少ないです)
補充したところ(見にくいですがラックとホットメルトを混ぜてます)
タンポ調整と不良軟物の交換
※ここから先の作業の写真を撮るのを忘れました
タンポ開きの調整
- 左手あたりから音抜けが非常に悪かったので右手とテーブルキィは、そのままにしておいて左手キィのみ広いセッティングにしました
タンポ調整で使う道具
シーズニング
タンポ調整をして不安定になっている状態のタンポを落ち着かせる作業。
タンポの再調整とバランス調整
バランス調整・・・連動して動くキィが全部閉じるように調整すること
吹奏チェック
納品及び試奏
吹奏チェックをしてもらいます。
気になるところがあれば微調整します。
今回は、一ヶ所音程で気になるところを指摘してもらったので開きを調整ました。(HighDの音程が低かったので広くしました)
その他は、特に問題なく喜んでもらえました。
※写真は、同期のよしみで載せていいよ~と言ってもらえたので
先月15年ぶりに再開した前田直子さんです。姫路や神戸等関西を中心に演奏活動やレッスン等精力的に活動してます。同期生として頼もしいです。また、聴きに行きたいです。